不妊治療の種類を解説~タイミング法や人工・体外受精など~

不妊治療の種類を解説

「不妊」の定義は決まっていて、「避妊なしで2年以上妊娠しない状態」とのことを指しています。これは世界保健機構が決めた定義ですが、日本でも同じ定義を踏襲しています。

 

妊娠しやすさには個人差があるので、2年妊娠しなくても不妊とは言い切れない部分はありますが、不妊治療を受けるのはだいたいこの「2年経過後」が一つの目安となります。

 

ここでは、不妊治療の種類について解説していきます。

 

タイミング法

最も取り組みやすい不妊治療が「タイミング法」なります。夫婦にとくに異常がなく、年齢もまだ若い場合に採用されることが多いです。

 

まず、女性の排卵の時期を正確に計測します。そして、排卵に合わせてタイミングよく性交し、妊娠を目指すという方法です。通常は排卵の自然周期で行ないますが、場合によっては排卵誘発剤を使用することもあります。

 

排卵時間を調べると聞くと、「生理周期を調べるのかな」と思うかもしれません。しかし、卵子が受精できるのは排卵から10時間程度なので、排卵日をおおまかに調べるだけでは不十分です。

 

実際はもっと先進的で、超音波検査やホルモン検査を実施することで、排卵日に加えて排卵時間まである程度正確にタイミングを予想することができます。そして、排卵時間に合わせて性行為を行うことで妊娠を目指すのです。

 

たまたまタイミングが合わずに妊娠できていなかったカップルの場合、タイミング法で自然に妊娠できるケースも多いようです。ただ、特に男性に多いのですが、セックスのタイミングが決められてしまうことに抵抗を感じる人もいるようなので、事前にしっかり説明しておくことが大切です。

 

人工授精

 

男性から採取した精子を、女性の子宮に入れて妊娠を目指す方法が「人工授精」です。排卵誘発剤で排卵をコントロールし、注射器で直接支給の奥まで精液を注入します。費用は1回あたり2万円程度となります。不妊治療としては価格もお手頃なので、タイミング法で妊娠できない場合の次のステップとなります。

 

最近は女性の膣内で射精できない「膣内射精障害」の男性も増えてきており、実施する機会が増えてきている治療法でもあります。

 

体外受精

 

卵子と精子をカップルの体から採取して、シャーレの中で混ぜて受精を促す方法が「体外受精」です。受精率を上げるために複数の卵子を取り出すため、女性側には排卵誘発剤が使用されることもあります。体外受精で妊娠できる確率はあまり高くなく、妊娠できても流産しやすいと言われており、出産に至るのは20%以下となっています。費用は30万円程度となり、高額なのも特徴です。

 

顕微受精

 

医師が顕微鏡で観察しながら、人工的に卵子に精子を注入させる方法。受精卵がある程度成長したら、子宮に戻して妊娠を待ちます。

 

どちらかというと男性側に問題がある場合に利用されることが多く、男性の精子が少なかったり、無精子症でも妊娠できる可能性があります。無精子症でも、精巣から直接精子が取り出せるケースでは、妊娠できるケースがあるのです。

 

また、意図的に卵子と精子を受精させるため、体外受精ではなかなか妊娠できない高齢出産の夫婦が顕微授精にチャレンジすることも多いようです。

 

費用は50~100万円程度となり、かなり高額です。

 

日本では法律の問題が未解決の不妊治療

日本国内ではまだ法律上の問題がある不妊治療もあります。

 

卵子提供

卵子が排卵できなかったり、高齢で妊娠しにくくなった女性の場合、別の女性から卵子の提供をうけて体外受精~妊娠をする方法もあります。

 

ただし、生まれた子どもは遺伝的には別の女性が母となるため、法律上の立場や子どもが血のつながった母を知る権利などの問題が残っています。

 

代理母

子宮頸がんなどで子宮を摘出した女性に代わり、別の女性が代理母として子供を産む方法です。可能ならば妻の卵子、もしくは別の女性から提供を受けた卵子を、夫の精子と体外受精させ、代理母の子宮に移植して代理出産します。

 

卵子提供同様、日本国内では法律的な問題が残っています。


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