新型出生前診断の問題点

新型出生前診断の問題点を理解する

新型出生前診断にはさまざまな問題点があります。

 

旧型に比べてリスクが少なく、精度も高いため多くの妊婦が利用しようと考えていますが、まずは新型出生前診断について理解してからにしたほうがよいでしょう。

 

 

新型出生前診断とは?

新型出生前診断は、正式名称では「無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)」と呼びます。妊婦から20ccほど血液を採取するだけで、胎児の染色体について検査することができる診断のことです。

 

具体的には、「21トリソミー」を含む染色体異常を出産前に調べることができます。21トリソミーはダウン症を引き起こすことで知られますが、その染色体異常が妊娠中にわかることになります。

 

>>ダウン症の年齢別確率は?子供~大人になったらどんな症状が?

 

羊水を直接取り出す「羊水検査」などの診断に比べてリスクが少ないことから、多くの女性に支持されている出生前診断となっています。

 

どんな問題点があるの?

新型出生前診断には、3つの問題点があります。1つ1つ解説していきます。

 

費用が高い

新型出生前診断の費用相場は20万円前後となります。かなり高く感じるかもしれませんが、遺伝カウンセリングなども行う必要があるためこの価格となっています。

 

問題なのは、新型出生前診断が保険適用外の自由診療扱いとなることです。そのため、20万円の費用をそのまま負担しなければいけません。

 

また、新型出生前診断を行っている医院・クリニックはまだ多くないので、住んでいる場所によっては交通費もかかってくる場合があり、さらに負担が増します。

 

したがって、予算に限りがある場合は、新型出生前診断を受けることが難しいでしょう。

 

結局羊水検査が必要になることもある

 

以前まで、確実な出生前診断といえば「羊水検査」が一般的でした。しかし、羊水検査は羊膜に穴をあけて羊水を取る検査となるため、羊水が流れ出したり、流血するといったリスクがあり、流産の原因になっているという指摘もありました。流産の確率は0.3%ほどとなり、軽視できない確率です。赤ちゃんの健康を調べるための検査で、流産してしまうというのは本末転倒であり、行うべきではないという議論も多くありました。

 

そこで流産リスクがない新型出生前診断が注目されているわけですが、新型出生前診断でわかるのはあくまで「染色体異常」についてです。つまり、ダウン症については検査できますが、その他の先天異常についてはわからないということなのです。したがって、何か先天異常のおそれがある場合は結局羊水検査も行うことになり、流産リスクが発生してしまうのです。

 

しかも、羊水検査は保険適用外となり、15万円ほど費用がかかります。新型出生前診断が20万円ですから、35万円ほどの負担がのしかかってくることになります。

 

条件が厳しい

 

新型出生前診断は、妊娠していれば誰でも受けられる検査というわけではありません。まず、妊娠10週~18週の間でなければ受けることはできません。この期間の前でも後でも、母体の血中にある胎児の遺伝子濃度が足りないので、検査の精度が低くなってしまうのです。

 

また、以下のいずれかの条件に当てはまらないといけません。

 

1.高齢出産(妊婦が35際以上)である
2.夫婦のどちらかに染色体異常があり、赤ちゃんに遺伝のおそれがある
3.過去にトリソミーやダウン症の子どもを出産したことがある

 

したがって、条件を満たしていなかったり、条件となる時期からはずれていると、検査を受けることができません。

 

新型出生前診断の誤解

 

新型出生前診断は、リスクの強い羊水検査の代わりになるという期待がもたれていますが、それは間違いと言っていいでしょう。まず、確かに精度は高いですが、100%ではありません。そのため、結果を過信してしまうおそれがあります。事実、新型出生前診断が登場してすぐに、検査を受けた妊婦の多くが中絶をしようと考えてしまったという報告もあります。そういった意味でも、不安の声が多い検査ということを理解しておいてください。